「残業がない会社」と「残業を見直す会社」魅力的なのはどっち!?

2017.05.29 Monday

こんにちは!ペパボ人事の船橋です。

突然ですが

皆さんの職場は・・・男性にとっても女性にとっても多くの人がやりがいを持てる職場ですか?

 

先日、東京大学准教授の中原淳先生が登壇された人材育成イノベーションフォーラム「女性の働くを科学する」に参加してきました。そこでペパボはどうかな??と思い、このプロジェクトの結果の一部を引用して考えてみました。

中原淳さんといえばペパボの新卒研修設計でも師と仰がせていただき、社内でもファンが多く、何かと私もTwitterでwatchingというかストーキングしている大先生です。最近では「人材開発研究大全」というiPhone7の幅ほどの厚みのある鈍器的書籍が出版され、社内の人材育成フリークが挙って購入し、厚み表現合戦をしています。

 

 

・働きがいのある職場とは?

 

このプロジェクトの結果は、複数企業の実務担当者・リーダー・管理職の各男女ビジネスパーソンを調査対象としたもので、人事担当者としても、イチ働く女性としても非常に興味深く、うんうん!!と頷ける部分もあり、意識を改めさせられる部分もありました。

 

「出来るだけ長く仕事を続けたい」の設問に対し肯定的に回答した女性は75%だったそうです。

さて、同じく肯定的に回答した男性は何%だと思いますか?答えは66%。

意外にも女性の方が数値が高いんですね。男女の差はともかく、4人に3人の女性が「ライフイベントや所属組織に関わらず、できるだけ長く仕事を続けたいと思っている」と回答していることに時代を感じました。

 

 

次に、「女性が働き続けたい」職場の特徴について。上のような回答結果が出たようです。

この項目で、っへ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!と思ったのが、「残業がない職場」より「残業を見直す雰囲気がある」が上位に選ばれていたことです。残業そのものを否定しているのではなく、あくまで改善努力をする職場に対してより肯定的に捉えている女性が多いことが興味深く、特に印象強かったです。

 

ちなみに選ばれなかったものとして、「残業をした人が評価される雰囲気がある職場」や「女性の昇進を奨励する雰囲気がある職場」がありました。

改めて、男女を特別に区別することなく対等に受け入れ、生産性向上を図る態勢が企業として望ましい姿なのだと感じました。

 

画像出典:トーマツ イノベーション×中原淳 女性活躍推進研究プロジェクト (2017)「女性の働くを科学する」

https://www.ti.tohmatsu.co.jp/npro/2017/

 

・ペパボの残業時間削減対策

 

ではペパボは残業を見直す雰囲気がある会社でしょうか?

元々、全社平均では残業の多い職場ではありませんが、管理部門など一部の部署は時期よって残業が多くなっていました。しかし全社的に残業が少なくとも、たとえ一部の人であろうとも長時間働き疲労するような状況は望ましくありません。そんな状況を見直すべく、昨年5月から全社的に残業を減らす取り組みを行いました。具体的には下記2点を行いました。

 

  1. 残業時間が月45時間超となる可能性がある場合に社内申請を行う
  2. マネージャー、人事などにSlackのbotで残業時間を通知

 

上長や人事がしっかりと状況を把握することで日々の業務で個人に負荷がかからないようチェック体制を整えました。

補足を加えると【1】の申請は社長まで報告が届きます。

【2】は勤怠管理システムにおいて、残業申請が出ていない場合、勤怠締め日にならないと残業時間の把握が困難だったのを出社&退社時間から残業時間を予測しbot通知することで、残業状況をリアルタイムで確認できるようになった、というのがソリューションでした。

一見、「え?これだけ?」と思うような、そしてどの会社でもできるようなことではありますが実際には目に見えて効果がありました。わかりやすく比較するため、1年の中でも特に残業時間が多くでがちな第1四半期(1〜4月)で2016年と2017年の数値を見てみます。

 

【1人あたりの月の残業時間】

2016年: 20.58時間

2017年: 13.28時間

 

なんと35%減の成果がありました。月に残業時間が45時間を超えてしまった人の人数も上記対策前後の1年間で73%減となり、明確に職場の残業状況が改善されたと言って良いかと思います。なお、月平均45時間超の残業発生数は対策後は全従業員の1%にも満たない数値で推移しています。

 

これは、社内で一部残業が多くなってしまっていた状況に対する改善策ですが、結果としては全社的に生産性を上げ、多くのペパボの仲間にとって仕事のしやすい環境づくりができてきているのでは、と思っています。

 

昨年めでたく第二子を出産し、約1年産休・育休を取得して今年4月から職場に復帰してきたママさんデザイナーのツイートです。

定量的なデータから結果を見ることも重要ですが、現場の人間としては、こうした仲間の声が一番嬉しく、もっと頑張ろう!という気にさせられます。

 

 

・これからの働き方改革

 

「女性活躍」「多様性」「育児・介護との両立支援」など様々な課題から各社働き方を見直す傾向にありますが、背景はさておき、結果的に個人としても組織としても仕事の成果を上げるための後ろ盾となる潮流と感じています。会社全体がより良い風土になっていくには個人のがんばりに委ねるのではなく、組織全体で前を向いていくことが重要だと改めて感じました。

今後もペパボはHRを中心に、働き方の提案を意欲的に取り組んでいきます。そして、個人も組織も有機的成長をして最高のサービスを通じて世の中にどんどん価値を提供していきます!

 

そしてそして絶賛お仲間募集中です!

GMOペパボ 採用情報

 

「女性の働くを科学する」

中原淳先生とトーマツ イノベーションの共同プロジェクトで、女性活躍に関する調査研究を行い、組織における“やりがいを持てる職場環境づくり”の支援のための科学的知見を出すことが目的とされたもの。約7,500名を対象とした定量的なデータを研究調査結果として出された非常に興味深い内容でした。

※このプロジェクトに関する情報はいずれも下記より引用させていただいています。

出典:トーマツ イノベーション×中原淳 女性活躍推進研究プロジェクト (2017)「女性の働くを科学する:本調査」https://www.ti.tohmatsu.co.jp/npro/2017/

 

 

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